2023年末から管楽器調律師(木製楽器専門)としての活動を始めました。
(管楽器調律については昨年書いたこちらの文章に詳しく書いてあります。)
Q&Aも下記に用意しました。(2024.09.17 随時更新)
2024年3月からはいつもお世話になっている管楽器調律師の西部くんが独立して立ち上げた
管楽器調律TOKYOに参加しております。
2021年夏に初めて出会った技術に衝撃を受けて以来、毎月のように西部くんと共に様々な実験や検証を行い、
ついに自分でもやるようになったという次第です。
リペアに出しても変わらなかったような楽器の問題、練習してもなかなか変わらない問題、
問題は無いけれど、楽器を更にグレードアップさせたい…等の解決に、効果があります。
見た目も何も変わらずに音や吹奏感を変えてしまう不思議技術ではありますが…
是非、上記の文章を読んでご相談くださいませ!
現在、僕が調律を行っている楽器はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット等の木製楽器、及びそれらの持ち替え楽器についてです。
お知り合いの方限定でサクソフォーンや弦楽器、ピアノ、スタジオ等の響きの調律も可能です。ご相談ください。
その他の楽器についても研究実験を重ねて参ります。
その他にも楽器用の様々なパーツ、一般の方々にもこの技術を体感してもらえるような、スピーカーやイヤホン、スマホ等の音響機器等には随時対応しておりますのでお気軽にお声がけくださいませ。
毎月のスケジュール、ご予約もこちらのサイトから簡単に行えますので、是非どうぞ!
(予約サイトに出ているスケジュール以外の日をご希望の方はご相談ください)
一般の方向けにはこちらのお店での月一カチカチとして称したイベントで体験していただけます。
オーボエ属の楽器の場合、郵送での対応も行っております。
僕が気になっていることや、症状や改善して欲しいことをお聞きして、責任を持って試奏、調律させて頂きます。
こちらも合わせてご相談ください。
Q&A
管楽器調律を行うと何が変わりますか?
楽器の持っている本来のポテンシャルを引き出します。
楽器によって弱点と言われるような音、音域を吹きやすくしたり、音程が取れるようになったり、鳴りムラを無くしたり、反応を良くしたり、音量や響きを増したりすることが可能です。
一方向の効果ではなくて、好みに合わせてかなり幅広く対応出来ます。
例えば、演奏した時の抵抗感を増すことも出来ますし、減らすことも出来ますし、絶対にやらないですがとても吹きにくくすることも可能です。
お悩みがある方は「自分の吹き方のせい」にはせず、一度ご相談して頂ければと思っています。
尚、管楽器調律TOKYOのホームページには下記の記載を載せております。
楽器は一本一本違う個性を持っており、製造年や製造国、メーカー、モデル、事故歴の有無、メッキ仕上げ…等、同じ楽器の中でも楽器の状態は一本一本違います。
これらを適切に見極めずに全ての楽器に同じ処理をしてしまうと、良くなる場合と悪くなる場合が出てきてしまいます。そのため、管楽器調律TOKYOでは演奏家の豊富な知識と経験でその楽器に適切なバランスやお客様一人一人に合った調整を行っています。変化の方向は一定ではなく、楽器によって最適な方向が異なるのが特徴です。
音を聴くことで楽器のどの部分に違和感の原因や改善ポイントがあるかを判断しますので、試奏に自信がなくても問題ないです。
具体的な効果
①鳴りムラの改善
木管楽器と金管楽器に共通して、管楽器の特性上鳴りにくい音域というものが存在します。これらを根本的に解決し、全音域にわたって快適な吹奏感へと調整します。
また、特定の音が外れやすい現象も改善します。
②音程の改善
キーバランス調整も問題なく、タンポのふさがりも問題ない木管楽器や抜差管の調整も問題なく、凹みも無い金管楽器でも特定の音程が悪いという現象は管楽器においてよく発生します。今までは管を切ったり、演奏技術でカバーするしか有りませんでしたが、適切なリペアと管楽器調律で改善可能です。
③反応、発音の改善
反応の悪い楽器は発音するときに毎回余計な気を使う必要があり、自由に音楽を演奏する妨げになります。反応が速くなることで、演奏表現の幅が広がります。
④響きの質、鳴りの再生
購入後10年以上経った楽器や逆に新品でも音が固くて鳴らない楽器、音が薄い楽器の響きの質や鳴りを根本的に改善します。木製の楽器でも問題有りません。
どんな楽器なら施行可能ですか?
基本的に楽器の素材はどんなものでも構いません。
木や金属はもちろんのこと、樹脂、プラスチック、ゴム、陶器、ガラス…なんでも大丈夫です。
アコースティックな楽器はもちろんのこと、電気を使う楽器でももちろん大丈夫です。
管楽器調律とは名乗っていますが、技術の応用で、弦楽器や鍵盤楽器、打楽器、スピーカー等にも施工可能です。
それぞれにやることは少しずつ違います。
古くても新しくても大丈夫ですが、定期的に「調整」が行われている楽器であった方が効果は高いですし、変えられることも多いです。
例えば、そろそろタンポやコルクなんかを交換しなきゃな、といった予定がある場合は、その調整を終えてからの施工の方が効果は高く、持続性もあるかと思います。
古い楽器、新しい楽器、調整したけれどあとちょっとこうなったら良いな…がある楽器、使いたいけれどイマイチな点があるパーツ…なんでも大丈夫です。
どんな事例におすすめですか?
全ての方におすすめしたいとは思っています。
とても良い状態で使われている楽器、特に問題を感じていない楽器、気に入られていて、完全にこの状態が好きで好きでたまらないというのであれば、やる必要はないとは思いますが、管楽器調律的視点でのチェックをすることで、更に良くなること、もっと改善出来ることをご提案することは可能です。
あくまで、楽器本来の性能、ポテンシャルを発揮出来るようにする、というコンセプトではあるので、過度に楽器のキャラクターを変えてしまうということは基本的には行なってはいませんが、施工することによって、特に問題を感じていなかった楽器でも、「この楽器、まだまだこんなことが出来たのか…!」と驚かれることも多いです。
大きく変わってしまうのが怖い、といった心配がある方は、ピンポイントで症状や特定の音に対して微調整をしていくことも可能ですが、結果的に他の部分も良くなることがほとんどです。
あとは割れたり、落としたり…と言った、事故歴のある楽器にも効果は高いですし、修理をして見た目は元に戻ったけれど、音や吹奏感が元に戻らないといった楽器にも特におすすめしております。
新しい楽器でまだまだ馴染まないように感じる楽器にも、古くなってきたように感じて、音のコシが無くなってきたとか、抜けてきたように感じる楽器に対しても、効果はあります。
演奏されるジャンルやスタイルによっても幅広く調整可能です。
火を使って楽器がおかしくなったりしませんか?
様々な大きさの火を使いますが、燃えたり、溶けたりすることはまずありません。
木の楽器や、金属製の楽器でも、タンポやコルクが付いている場所に対しては、人肌の温度以上には熱を加えませんので、楽器の見た目が変わることはないですし、脆くなるとか、ましてや焦げるとか、そんなことも一切ありません。
金属製の楽器でも、メッキやラッカーが剥がれてしまったり、色が変色するような温度にすることはありません。
(一部、既に変色があったり、ラッカーが剥がれてしまっている場合等の場合はご本人に確認の上、施工致します。)
説明はやや難しいですが、熱を加えることが目的では無いので、調整が狂うようなエネルギーをかけることはないです。
様々に検証済み、実験済みです。
管楽器調律として始まった初期の段階では、調整が変化してしまったり、変色が起こったりするようなことがあったのは確認されております。その際は保証も含めて真摯に対応していると伺っております。
ここ最近で、管楽器調律TOKYOが行なっている施工ではそういったことは一切確認されておりません。
日々安全に、日々進化しながら、依頼者の方の楽器を大事に丁寧に作業を行なっております。
※実際に体験された方は分かると思いますが、ただ楽器に火を当てれば良くなるといった簡単な作業ではありません。絶対に真似されることは無いようにお願い致します。
ちなみに僕自身の楽器は、3年以上、様々な実験も兼ねて、毎月のように施工を行って、毎月お世話になっているメーカー、技術者の方に確認して頂いておりますが、1度もそれによって調整が狂ったとか焦げたとか変色したとか、確認されておりません。
効果の持続性はどのくらいありますか?
一度施工した楽器の管楽器調律の効果が0になってしまうことはありません。
大きな炎を近づけたりといった「特定の操作」をした場合、効果が薄れたり、変わってしまうことはありますが、基本的には日常的に使ってもらう分には、半永久的に効果は残ります。
ですが、パーツを新しくしたり、変えたりしたらもちろんのこと、そのままの状態でも、良くも悪くも楽器は少しずつ変化していくことはあるので、半年から1年くらいで微調整や、もう1度施行するようなことで、楽器の状態を更に良くする、自分好みに仕上げていくことは可能です。3周、4周目くらいまではかなり大きく進化出来る印象です。
元に戻せますか?
先ほど書いた「特定の操作」のようなものを使って、効果を消したり、薄めたり、違うものに塗り替えたりすることが可能です。
火を使いますが、可逆性の無いような強いエネルギーをかけるわけでは無いので、元に戻らないということは無いです。
例えば、管楽器調律の中での微調整では様々な状態を試してもらって、
「AとBの仕上げでどちらが好みですか」
みたいなパターンがあるのですが、どちらも試しに吹いて頂いて、
「AとBの間くらいが好きです」
とお答え頂いた場合、それも可能ですし、
「やっぱりAが好き」と言われても、そこに戻せたりもします。
全て見た目や調整具合は、施工側が気をつけて作業をしている限り、変わることはないです。
「調整」と「管楽器調律」の違いはなんですか?
全く別のベクトルの楽器調整方法で、それぞれに必要であると考えています。
通常行われている「調整」(リペア)は特に木管楽器の場合、指で押さえるキーが正しく機能しているかどうか、開き具合がそれぞれの奏者にとって適切かどうか、しっかり塞がるように機能しているかどうか、タンポやコルク等の消耗する部品や壊れてしまった部品等の交換、管体の不具合(例えば割れ等)を修正したりと、物理的に目で見える楽器の状態に対してのメンテナンスを主に行うものと考えます。
我々、管楽器奏者において、定期的な「調整」、メンテナンスは必須であり、「調整」(リペア)でしか行えないことが多くあると考えています。
信頼のおけるリペアマンは言わば「主治医」のような存在で、管楽器奏者が演奏活動を行う上でなくてはならない存在であると思います。
楽器メーカー等が行う調整の場合、更にここに「改造」の要素も入ってきますが、長くなりすぎるので割愛します。
一方で「管楽器調律」は基本的に、楽器の物理的な変化を起こしたりするようなことはしません。
(金管楽器を担当する西部の場合、一部リペア的な作業も同時に行うこともあります。)
パーツ等の交換や形状の変化等を行わずに、物体、素材の振動効率を上げたり、目には見えないですが、響きのポイントとなるようなものを作っていくことで、楽器の状態を奏者のお好みの状態に整えていくようなイメージです。
管楽器調律TOKYOの技術者が確認をすれば、実際に音を鳴らして頂かなくても、施工した楽器かどうかは判別できますが、ぱっと見ただけでは、「管楽器調律」をやったかやっていないかは分かりません。
ですが、音を鳴らして頂いたら、一発で違いが分かるくらいに音の鳴り方、響き方が「管楽器調律」を行なった楽器は違います。
不思議な「現象」とも言えるようなことが施工していくと起こっていくわけですが、日々行われてきた実験や検証によって、確実に、狙ったように音や吹奏感等を変えていける技術であることは間違いないと言えます。
例えば「調整」(リペア)で変わらなかったような事象の改善や、音質等の細かな微調整には「管楽器調律」が効力を発揮する可能性が高いです。
「調整」(リペア)と「管楽器調律」はそれぞれの技術でしか出来ないことが、それぞれに存在するので、両輪で行なっていくものとして考えています。
何度も書きますが、「管楽器調律」を行うことで、通常の「調整」(リペア)に影響を与えたり、干渉するようなことはありませんので、ご安心くださいませ。
順番はどちらでも構いませんが、「調整」(リペア)で仕上がった楽器を、「管楽器調律」でその楽器が持っているポテンシャルを更に引き出してあげる、というイメージが1番はまるのではないかと思います。
逆に調整されていない、調整が狂っている状態の楽器では、管楽器調律の効果が十分に活かされることはないと言えるでしょう。
筆者是澤の場合、いつもお世話になっている「調整」(リペア)の技術者の方に「管楽器調律」について詳しく話し、目の前で全て体験して頂いて、有り難いことに理解して頂きました。
調整の面からも、管楽器調律の面からも、更に楽器がより良くなるにはどうしたら良いか、情報共有をさせて頂いております。
火を使う以外の方法は無いのですか?
実際に来てもらうと分かるのですが、火を使う以外の様々な方法でも施工や微調整を行います。
そのどれもが日々の検証、実験で導き出された「再現性」のあるものです。
全く火を使わないということが現状出来ないのは、それに変わる方法が無いということでもあります。
様々な火を使う方法は、これまでありとあらゆる手段を試されてきた、数々の実験の中で見つかってきた方法です。
毎日のように代替の手段が他には無いか、もっと見た目にも怪しくなく、より安全に行える方法は無いのか、熱を加えることが目的では無いとしたら、それ以外に楽器や素材の音を確実に、思ったように変える方法は無いのか、等の検証は行っていますが、現状では様々な大きさの火を使う、ということでしか音を確実に変えるということが出来ないということになっています。
もちろんはっきりとした「エビデンス」と言われるものに対しても、様々な専門家の方と検証を行なっていますが、全てにおいて判明、クリアになることはまだまだ時間のかかることであるのは事実かと思います。
恐らくこうであろう、という理論や理屈は分かってはいますが、「絶対にこうです」と言い切れるものではありません。
ただし、前記のとおり、安全に行えて、且つ確実に音や吹奏感といった吹きやすさを変えられる方法があって、それらが好みに合わせて操作可能であったとして、目の前で現実に起こっているとして、それでも「エビデンス」が存在しないから嘘である、怪しい、はちょっと極端な物言いでは無いかとは個人的には思っています。
目の前で行うことでの「そんな気がしてくる」
みたいなものではないのか?
管楽器調律は、一部の楽器に対しては郵送での対応を行なっていますが、その際も「音が確実に変化している」「吹きやすくなった」との評価を頂いておりますし、対面、郵送でも定期的なリピーターの方も多くいらっしゃいます。
施工後に、場所を変えて音を出して試して頂いて、効果が体感出来なかったという話は無いですが、思っていたような感じではなかった、という連絡を頂くことはあります。
その場合は微調整を行うことをオススメしております。
出来るだけ対面をオススメしていて、目の前で全ての作業を行うのは、実際に見てもらうことでの信用性も含めてですが、その時々のご要望全てに出来るだけお応えするため、ある程度仕上げた後の細かい微調整に対応するため、対面で試して頂いて、依頼者のお客様と施工側である我々がお互いに完全に納得して作業を終えるため、といった理由です。
そんなこと、あり得ないと思うのですが…
目の前で全て、現実に行いますので、是非見に来て、実際に体験されてください。
動画も公開していますが、実際に体験されることに優るものはありません。
作業工程の見た目はどう見ても怪しいですし、これまでの一般的な常識を覆すようなこと、理解に苦しむことが多々起こるので、なかなか受け入れ難いのもよく分かりますが、実際に起こっていること、変化を結果として見て聞いてもらえればと思っています。
施工している我々でさえも、毎回「そんなわけないだろう…」と疑いながら実験や検証を行っていますが、毎回の変化は確実に起こっています。
ここ1年弱くらいで、我々としては革命的に出来ることの幅が広がって、より依頼者の方の好みに合わせることが可能になりました。
毎月プロアマ問わず、沢山の方々の楽器に施工させて頂いております。
これからもさらなる進化を目指していきますので、引き続き注目して頂けると嬉しいです。